日本カジノ法案の疑問 日本型IR(統合型リゾート)はどんなものになる?

これから開業する日本の統合型リゾート施設である日本型IRは、人々が利用しやすい地域活性化にもなるようなシンガポールのIRのような施設を目指していますが、諸外国にない日本国民に対する入場制限等の厳しい規制があります。日本型IRに関して、現時点で出ている情報をご紹介いたします。

日本型IRの根本原則

トランプ、スロットマシン、ルーレットのイメージ

IR(Integrated Resort)とは統合型リゾート施設のことですが、政府はその根本原則を世界に通用するだけでなく、老若男女が楽しく利用できる新たな観光資源となり得る施設を目指すとしています。どのようなことかといいますと、ただ単にカジノ解禁の国に認められた公共ギャンブル事業というだけではなく、世界に引けを取らない日本ならではの感性を活かした評価の高い総合的なリゾート、観光施設を目指しているということです。

IRにはカジノ以外にも様々な施設が入る予定

IRというと、カジノが取りざたされることが多いのですが、日本型IRはカジノだけではありません。ホテル、ショッピングモール、レストラン、スパ(温泉など)、劇場、映画館等が入ることが検討されていますから、娯楽施設として大人も子供も幅広く楽しめるというわけです。特に子供の学校が長期の休みに入る時期などは、親も休暇を取って一家で出かけることが多いでしょうから、集客のねらい目となるでしょう。

日本型IRは諸外国と何が違うの?

日本型IRは、諸外国にもある統合型リゾート施設ですが、諸外国と違うのはIR法制度が厳しいところです。特に諸外国からも注目されているのは、自国民(日本人)や日本在住の外国人のカジノへの入場制限があるところでしょう。カジノへの入場は20歳以上で、さらにマイナンバーカードによる本人確認と入場回数制限があるのです。この制限回数は、人によってはなかなか厳しいと感じるもので、1週間のうち3回まで、28日間では10回まで、そして入場料は1日6,000円となっています。

ただし、この6,000円というのは、今見直しがの意見も出てきています。なぜなら6,000円払った分取り戻さないと、というようにより射幸心をあおってしまう可能性があるからです。現在法案自体は可決していますが、入場料など具体的な数字の部分は実際に始まるまでは流動的といえるかもしれません。

学生や非正規社員もカジノへ行ける?

20歳以上となると大学生等も含まれますが、入場料等もあるとそれほど多くは行かれないでしょう。まして、生活がギリギリという会社員や非正規雇用の人等も、どんなにカジノが楽しくても、いちいち入場料を払うとなると、金銭的に厳しいかもしれません。このような厳しさは、ギャンブル依存症患者を増やさないためで日本のみなので、諸外国の人々は目を見張っているようです。

日本が参考にすべきIRはどこか

カジノ施設の外観

日本が参考にすべき統合型リゾート施設(IR)はどこの国のものかと言うと、シンガポールでしょう。シンガポールのIRはマリーナベイとリゾート・ワールド・セントーサがありますが、この2つを実にうまく経営しているのです。マリーナベイの運営は米国ラスべガスサンズ社の100%子会社が担っていて、セントーサはマレーシア資本のゲンティンシンガポール社が担っています。つまり、この2社をうまく競争させて、経済の活性化を図っているのです。また、この2つは特に重点的にMICE(学会や企業展示会などに伴うビジネストラベラーの総称)誘致を掲げており、国としてもMICE誘致へ補助を出している形です。

マリーナベイとリゾート・ワールド・セントーサの比較

この2つのIRの立地ですが、マリーナベイは商業ビジネスの中心地域にあり、リゾート・ワールド・セントーサはリゾート地区であるセントーサ島にあります。とはいいましても、車で5分ほどの場所なので、さほど離れているわけではありません。そして、施設の構成や規模も似ていて、カジノフロア、ホテル、会議室、展示スペースがあり、ショッピングフロアや飲食店等も入っています。

ただし、重点の置き方には違いがあり、マリーナベイはMICE誘致やショッピングゾーン、飲食ゾーン等の充実に力を入れています。
その一方、リゾート・ワールド・セントーサはその名の通り、リゾート向けでユニバーサルスタジオなどもあり、ファミリーにターゲットを絞っているのです。

この戦略がうまくいき、両方とも黒字経営である上に地域活性化にもつながっています。日本では1地域に1つのIRという枠組みがある以上、この点をどう割り切るかがポイントになってくると考えられています。特に誘致予定の各地域はMICE誘致に熱心なため、ファミリー層狙いの別観光資源があると、より活性化するのかもしれません。

まとめ

日本型IRの根本は日本のみならず、世界中の老若男女が楽しめるような新たな観光資源となる施設を目指すというのが、政府の打ち出した日本型IRの根本原則です。そのような施設にするために、日本政府は諸外国にないような厳しいIR法制度を制定し、日本国民、及び日本に在住の外国人はIRへの入場制限、使用料を取るということになっています。

このようにすることで、日本で問題にもなっているギャンブル依存症患者を増やさないための対策をとっているのです。確かにそのような病気の人が多くなれば、観光資源になるような健全な施設にならないからでしょう。

ご紹介したように、シンガポールではこの点をうまく制御し、IRをよい形で運営しています。日本でもこのような良いところを参考にして、より良い日本型IRを目指すと良いです。

カジペディアに在籍しているライターが執筆したものです。 カジノに詳しいライターが分かりやすく丁寧にご紹介します。


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