【カジノ法案】自由民主党議員の発言をまとめました

カジノ法案を強硬に推し進める自民党の中で与党以外の議員の発言、主に内閣委員会での発言にスポットを当ててまとめてみました。自民党の中でも賛否両論あり、党内が真っ二つに分かれている様子が発言から読み取れます。

和田政宗氏「国民が納得できる形での説明が必要」

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昭和30年7月17日、開催された参議院内閣委員会で、政府参考人の出席要求と合わせてカジノ法案について自民党から与党への質疑が行われました。その中で、自民党こころ所属の和田政宗議員は東北大震災の被災地である東北の観光振興に関しての自身の思いを述べつつ、与党への質疑をしています。日本全体の観光の環境について前年度の観光庁による訪日外国人の消費動向調査で、1人あたり前年比1.3%減にはなっているものの、全体的にみれば外国人1人一泊についての旅行消費は大幅に増えている事は認めています。

外国人には地方にも訪れて欲しいと思う根拠として、地域経済へのインパクトも大きく、ひいては景気回復にもつながっていく点をあげ、引き続き、この点に政府としても着目していただきたいと述べました。

和田氏は観光振興の一環として震災関連の国際会議なども誘致すべきであり、その際に、世界の研究者や支援者らにぜひ現場を観光していただけるように、大型会議室や展示場を含むIRを東北が積極的に誘致すべきであると指摘しました。政府が考えるIRはカジノのみならず、多種多様な施設が一体となったリゾート施設であり、観光や雇用創設などの大きな経済効果を期待できる施設です。

和田氏は政府の考え方にも一定の評価をした上で、カジノ抜きのIRとすべきとの意見もあることを指摘しました。カジノ抜きのIRはあり得ない理由として、日本を代表する大型観光施設を純粋に民間が運営している事例はなく、カジノ収益を活用して魅力的な日本型IRを整備していく事が必要なら、国民が納得できる形での説明をしてほしいと述べました。

和田氏からの質疑を受け、政府が終始、淡々と応答していきながら論議が進行していきましたが、政府の説明に国民は全く納得出来ていない事を示唆する内容となっています。

豊田俊郎「政治は矛盾の調整」

平成30年7月に開催された参議院内閣委員会でのカジノ法制案を巡る審議では、豊田氏による地方区域整備計画について質疑されました。豊田俊郎義員は国民の声や関連資料を基に、地方区域整備計画における政府の姿勢をただしています。

IR法案への国民の理解が得られていない事が数字の上からも表れています。カジノに関しては、展示場やホテルなども含めた総合観光施設というなら反対する人はいないはずですが、そこになぜ、国民が望まないカジノが出てくるのかといった事が指摘されています。そもそも、政治というのは矛盾の調整ではあっても、白か黒、あるいは二者択一で片付けるのは難しいというのが、豊田、氏の持論です。

実際、ギャンブルの現状を見るとたとえば、競馬の売り上げは減少傾向にあります。平成29年度にいたっては、多い時で4兆円もあった売り上げが2兆円代にまで落ち込んでいます。趣味の多様化による若者のギャンブル離れも要因になっていると考えられます。日本はギャンブル王国とも評されるように多種多様なギャンブルがあります。IR法案では、カジノ施設がIR全体の主要な収益となっていく事が想定されています。

IR全体としては魅力的な施設を整備すべきと考えます。既存ギャンブルの消費額の実態を調査した2017年度の資料によると、1人あたりの年間消費額は6000円から3万円弱となっています。1回につき2000円代でオートレースにおいては1000円を大幅に切った金額です。

本法案でのカジノの入場料を考えると、既存のギャンブラーらがすぐにカジノへ向かうとは限りません。近年はネットユーザーも多々いますから既存ギャンブルとカジノが競合する事はないでしょうが、交通の便が芳しくない地方に設置するよりも、大都市に作る方が現実的ではないでしょうか。

本法案を見ると、認定対象は地方都道府県および政令都市と記されています。これでは政令都市以外の都市は対象にならないともうけとれます。そのままですと、市町村に多大な負担がかかる事が懸念されます。国や都道府県の責任分担も重要ですし、万が一、運営が立ちゆかなくなった時の赤字補填が市町村に重くのしかかってくるようだと本末転倒です。ほぼ、時間切れのような形で豊田氏からに質疑は終わったのですが、しっかりと国民への説明責任を果たしていく事の重要さを説いています。

高木啓「カジノは財政赤字の立て直しのため」

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平成30年度5月の衆議委員内閣委員会では、高木議員が与党への質疑にたちました。ここでは、カジノ法案が浮上した経緯についての説明が続きます。カジノ問題の時代背景として前知事が残した多額の財政赤字再建に後継知事が取り組む中で、カジノ法案が浮上しました。国際博覧会プロジェクトを急遽、廃止にした際に、未利用の広大な土地が残されました。財政立て直しと未利用土地の有効活用の一環としてカジノ案が急浮上したのです。

実際はそうして法改正を待ちつつ、今日にいたっています。東京で最大規模の施設で、さえも世界的に見劣りのするものになってきている現状があり、カジノはそういう意味でも大変、期待されています。一方で、犯罪の温床になるのではないか、あるいは、ギャンブル依存症が深刻化してしまうのではないかとの懸念もあり、政府は国民に対して充分な説明をしていくべきです。

まとめ

3人の自民党議員の発言は一貫して国民への説明不足を指摘している点と、同じ自民党内であってもカジノ法案への不信感が見え隠れしており、意見が分かれている事がわかります。


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