イギリスのギャンブルの歴史…閉鎖的だった賭博場をオープンな施設へ

イギリスには民説民営の最古と呼ばれるカジノがいまだ現役として人気があります。

王族、外交官などの上流階級しか利用できないよう規制されていたカジノは、今もなお人気です。

イギリスのカジノの歴史はどのように作られてきたのか、調べてみました。

 

イギリスカジノはBathから発展?

カジノで遊ぶ女性

イギリスカジノを語るときは、ヨーロッパ全体のカジノの歴史を広く見る必要があります。

ヨーロッパのカジノの歴史は古く、1700年代ごろから既にカジノが王族や上流階級の遊びのひとつとして社交界の場に登場していたといわれています。

1700年代の頭ごろ、イギリスでは「Bath」という街が大きなカジノ都市として栄えました。

Bathは良質な水が湧く温泉地して当時から有名であり、多くの人々が定住しているだけでなく、イギリスの貴族たちの避暑地・観光場所としても人気。イギリスだけでなく、ヨーロッパ全域から王侯・貴族たちが訪れたといわれています。

Bathはカジノ都市として1710年から1740年ごろまで繁栄を極めましたが、1740年以降はイギリス全土でカジノ禁止令が出されたのを境に衰退します。

その後、上流階級の人々は避暑地としてベルギーの都市「Spa」や、ドイツの都市「Bad Homburg」などに足を運ぶようになり、カジノ都市としても栄えました。

Bathから始まり、その後Spa、Bad Homburgというふうに王侯貴族たちの避暑地や社交の場として移り変わってきたのがヨーロッパのカジノの歴史といってもいいでしょう。しかし、これらの避暑地もやがては戦争によって破壊され、終焉を迎えることになります。

https://www.moroccoboard.com/landcasino/3442

 

発展期

幾多の戦争によって王侯貴族たちにとっての避暑地の多くは破壊され、衰退していきました。その後、最終的に王侯貴族たちにとっての安住の地となったのがモナコ公国のひとつの地区であるモンテカルロです。

モナコ公国はフランスの東南に位置する海岸沿いの小さな国でしたが、避暑地を失った王侯貴族たちにとっては人気のカジノ都市となりました。

もともとモナコ公国は自国の振興・観光産業の発展を目的としてカジノ建設に力を入れてきたこともあり、1880年代からヨーロッパ一のカジノ都市として栄えることになります。

さらに、1880年代の後半にはフランスからの直通鉄道が通るようになったのをきっかけに、王侯貴族のみならずヨーロッパの富裕層の多くもモナコに訪れるようになったのです。

 

同時期にオープンしたクロックフォード

ヨーロッパで屈指の「カジノ都市」としてモナコの人気が広まったのは19世紀に入ってからですが、同じ19世紀のイギリスに目を向けてみると、1829年にウィリアム・クロックフォードがロンドン・メイフィアに「クロックフォード」という民営カジノを設立しています。

クロックフォードは世界最古の民営カジノといわれており、現在もなお営業中です。クロックフォードはいわば王族・上流階級専用であり、イギリスのなかでも特に気品の高いカジノ施設として知られています。

こうして見ていくと、イギリスそしてヨーロッパのカジノは「上流階級向けの娯楽」として発展してきたことがわかるのではないでしょうか。

現在のヨーロッパのカジノ施設は一般市民でも入場できますが、建物の立派さや室内の豪華さは、やはり上流階級向けの歴史の流れをそのまま受け継いでいるといっていいでしょう。

 

イギリス初のカジノは1960年誕生

カジノは元々イタリア語で小さい家、クラブという意味を持っており19世紀後半くらいから賭博、ゲームの場として誕生したといわれています。

その古典的な要素を持っているのが1863年に開業したといわれるモナコ、モンテカルロにあるカジノです。

その後、賭博は弊害あるものとして各国で規制が進んだのですが、20世紀後半になると多くのヨーロッパ諸国で合法化されます。

賭博は人を狂わせ、家庭を壊して社会的に正しい暮らしができないといわれてきたのですが、合法化する事により規則を作り、正しく大人としてギャンブルできる施設を作ろうとする国が多くなりました。

勿論ギャンブルによって国にお金が落ちるという算段もあったと思いますが、その歴史があったからこそ、現代、各国で紳士的に楽しめるカジノがあるわけです。

 

イギリスを起点に広まる

当時1960年、賭博施設としてイギリス初のカジノが誕生、イギリスではロンドンを中心に賭博場が開かれていたようです。

その後、フランス、ギリシャ、ドイツ、アメリカなどでもカジノの営業許可が出され、多くの国に施設ができていったという歴史を持っています。

イギリスは1968年にギャンブルはコントロールしなければならないが、禁ずるべきではないと諸外国よりも早くカジノ施設を認めている国。

この背景には合法化していなくても、違法カジノ施設があったといわれているため、違法カジノ排除のために行ったとも言われています。

 

カジノ合法化による影響

1960年、賭博に関して初の法律が誕生したのですが、これは当時のイギリスで無法状態となっていた賭博に関する影響を考慮し、そのメリット、デメリットを調査したことによって法律となったものです。

イギリスで違法賭博に関する調査を行った所、賭博をどんなに禁止しても、結局そこに違法賭博場が生まれ、それがトラブル、また犯罪などに移行する事があると考えたようです。

また当時イギリスでは賭博は適正な範囲内で行う分には人の娯楽を与え、適切に行うことができればその人の人格や家庭環境、社会に関しても大きな害になることはないとも考えています。

こうしたことから賭博を適正な管理下に置くことを条件に、行ってもいいと合法化したわけです。

 

合法化するための条件

合法化を受けて、イギリスのカジノでは、

  1. 賭博管理を目的とする会員クラブ性を主軸にする事
  2. 48時間待って会員登録制とすること
  3. 服装規定、現在のドレスコード

を作りました。さらには

  1. カジノ内のクラブではアルコール提供の禁止
  2. ゲーム台数の規制
  3. 賭け金上限の厳格な規則

もつくり、カジノ合法化を徹底的に管理するようになります。

そのほかの人がどう見るかという事は別として、この合法化という法律に関しては「決して間違っていなかった」と、2001年の報告書でもまとめ、確認されているほどです。

 

不健全な賭博場がなくなる

確かに違法賭博などはイギリスにおいて徹底的に排除され、法に基づくカジノ以外認めないという姿勢を貫いたことで不健全な賭博場は無くなったといわれています。

ドレスコードを設けたことでしっかりとフォーマル、もしくはセミフォーマルな服装以外で入ることができない、これは借金してまで賭博をしないように管理するために大いに役立っていますし、諸外国でも取り入れているくらいにカジノの通常マナーとなっています。

クラブ内でアルコールを禁じたことで、正常な判断でギャンブルができるようにし、左傾によった状態で成功しそうもない大きな賭けをする人も少なくなったはずです。

ゲーム台数に関しても、管理できる台数以上は置かないことを徹底し、また賭け金の上限を作ることによって、あまりにも大きな賭けに出ないようにすることにも成功しています。

家庭に影響を与えないように掛け金を管理、人格に影響を与えないようにアルコールを管理、さらに社会的に害悪とならないようにドレスコードを設け大人の社交場としたことなど、イギリスのカジノ合法化は成功したと断言してもいいものです。

 

イギリスカジノの「今」と「これから」

ルーレット

現在、イギリス国内には約120軒近くのカジノ施設があるといわれています…が、イギリスのカジノはアジアやアメリカのカジノとは多少、仕組みが異なります。

イギリスのカジノのほとんどは会員制となっており、事前に会員登録の申請を行うか、既に会員登録している人と同行するという形でなければ入場できません。(原則、会員登録してから24時間後でなければ入場不可)。

そのため会員登録をせずに旅行のついでにふらっと立ち寄る、ということはできません。

会員登録は無料ではなく、年会費として1000ポンド(日本円で約15万円ほど)支払う必要があります。これは決して安い金額ではありません。

このあたりの閉鎖的なシステムがイギリスカジノならではというところでしょうか。アジアやラスベガス特有の開放的なカジノとは対極にあるといってもいいでしょう。

 

近年、変化を見せるイギリスカジノ

とは言うものの、近年のイギリスのカジノ事情も少しずつ変化してきています。

これまで閉鎖的だったイギリスのカジノですが、2005年に賭博法が改正され、会員制ではないカジノ施設の営業も許可されるようになりました。

イギリス国内はまだまだ会員制のカジノが多数ですが、将来的にはラスベガスやマカオと同じようなカジノ施設、またシンガポールのマリーナベイサンズのような統合型リゾート(IR)の開発も計画されています。

既に「ロンドン・ヒッポドロームカジノ」や「エンパイアカジノ・ロンドン」といった非会員型の大型カジノ施設もいくつか誕生しており、今後イギリスは世界のなかでも多くの観光客を集める人気のカジノ大国として発展していく可能性も十分にあるでしょう。

 

まとめ

紳士淑女の国と呼ばれるイギリスは、ほかの国と比べると古い歴史があり、長い歴史の中で培われてきた伝統があります。

しかしそこに賭博の古い歴史があることを知らない人も多く、ギャンブルをしない人からすれば、イギリスは厳格でまじめで賭け事などをしない国民性を持っていると感じるでしょう。

しかしサッカーの世界的大会などがあると、イギリスの賭け事は世界的に有名で、サッカーの賭け事でとてつもない大金を手にする人もいます。

つまり、古くからギャンブルのやり方、方法、戦術、色々な要素を歴史の中で手に入れ、家庭や社会をくずさないように管理できる管理能力を養ってきた国です。

イギリスは古くからカジノを合法化し、多くの店が登場し、現代も古い歴史を持っている民説民営の施設が現存しています。

古き良きものを大切にする国民性は、ギャンブルに関しても同じで、まじめにギャンブルの歴史を守っている国ともいえるのではないでしょうか。

 

カジペディアに在籍しているライターが執筆したものです。 カジノに詳しいライターが分かりやすく丁寧にご紹介します。


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