【ハウステンボス子会社】カジノ船を運行するも数ヶ月で撤退

ハウステンボスの子会社であるHTBクルーズは、2012年に長崎から上海を航海するオーシャンローズを運行していました。カジノクルーズとしても注目されていましたが、数か月で撤退することになりました。

長崎と上海で就航していたカジノ線「オーシャンローズ」について

長崎県佐世保市にあるハウステンボスの子会社である、HTBクルーズは長崎と上海航路でカジノ営業を始めました。それが2012年のことです。日本ではカジノ自体の存在を認めていませんが、公海上に限って営業することとして、利用者が減少しているクルーズ船事業に喝を入れるべく動き出したのです。

大規模な改修を終えた国際貨客船「オーシャンローズ」は、カジノクルーズとしても話題になりました。船内の遊戯施設の一角に300平方メートルのカジノコーナーを設置していて、スロットマシンを始め複数のゲームが用意されていました。日本と中国以外の第三国のカジノ事業者が営業をすることになりましたが、カジノの収益を得るものではなく、HTBクルーズの賃料収入のみで運営されていたのです。

この航路は片道1日以上かかることもあり、暇を持て余さないような仕掛けが必要とされていました。娯楽機能の強化の一環としてカジノをメインとした施設を設けることで、利用客の拡大ができると予想していたのです。日本国内ではカジノが禁止されていることもあり、公海上での運営とし、パナマ船籍で登録されることになりました。HTBクルーズが設立したパナマ現地法人が所有することで、パナマの法律を適用。それによってカジノ営業が可能と判断されたのです。日本の領海内ではカジノコーナーを閉鎖し、違法にならないように配慮されていました。

この航路は片道28時間半で、10時間程度の間カジノコーナーはオープンしていたようです。船内フロアの5階に約300平方メートルという範囲でコーナーを設立し、多くの乗客に利用されていました。

オーシャンローズが数か月で運行廃止に

画期的な立案で注目されいたオーシャンローズでしたが、初日の航海で大きく躓きました。初航海となる日、濃霧の影響を受けてしまい、20数時間も洋上に待機する形になってしまいました。上海到着後すぐに飛行機に乗り換えて帰国するはめになったのです。また客室などの設備不良箇所が続出したことも問題視されていました。元々パナマの船を買取、リノベーションして運行して船だったのですが、表側だけを重点に行い、中に対しては整備していなかったことが後から判明します。

その後、整備を完了し再就航となったのですが、尖閣諸島を巡る日中関係が悪化したことから、この年の10月中旬から運休となりました。たった数か月で運行することができなくなった背景には、日中関係の悪化が関係していたのです。日中関係が改善されればまたオーシャンローズが航海することができるかもしれませんが、現在その予定はありません。

外海に出たらカジノが遊べるレジャー船として注目されてはいたものの、運行ができないければ意味がありません。こればかりはHTBクルーズが悪いというわけではないのです。最近の長崎新聞によれば、上海フェリーが上海行きの運航便を長崎寄港を検討しているとのこと。貨物の試験輸送を実施して寄港の採算性などを見極めていると言われています。試験寄港は2017年3月18日からとされていました。本来は、上海発は大阪へ直行することになっていましたが、長崎港に発着するようになれば、HTBクルーズのオーシャンローズ以来と言われていました。
しかし、現在もまだ長崎寄港での運行はありません。

日中関係が改善されることで、またオーシャンローズが運行する可能性はゼロではありませんが難しいと言わざるを得ません。日本でもカジノ法案が可決し、長崎も誘致として名乗りを挙げています。公海上でしかカジノができなかったからこそ、オーシャンローズに注目が集まりましたが、国内にランドカジノが設立すればカジノができる場所はあるわけです。カジノ法案の可決前であれば、オーシャンローズの魅力は素晴らしいものではありましたが、現在ではそこまでの魅力が伴わなくなってしまったと言わざるを得ません。

まとめ

ハウステンボスのHTBクルーズはオーシャンローズというカジノクルーズをメインとした客船を運行していました。天候や整備不良などの問題によって、運行は頓挫され、さらに日中関係の悪化によって運行が中止しています。

今後、日中関係が回復したら、運行を再開する可能性がゼロではありませんが、それよりも前に国内にランドカジノが設立されるかもしれません。長崎はカジノ誘致に積極的で、候補地の一つとなっています。他の地域でも誘致に向けて動き出していますので、どこにできるのかはまだわかりません。
カジノができる船というのはとても魅力的でしたが、運行されていなければ利用することもできないのが現状です。

カジペディアに在籍しているライターが執筆したものです。 カジノに詳しいライターが分かりやすく丁寧にご紹介します。


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